「あたしね、もっかいだけ……信じてみようと思ったの。」 あまりにも唐突なのに、汐は両手で、おそらく好物のいちごミルクが入っているであろう紙コップを包んで黙って聞いている。 「アオが、あたしを許してくれないのは分かってる……でも、藍はそれでいい、て…。」 汐、あたしだけでいいんだよ、苦しむのは。 忘れていいの、汐。 「ピアノはまだ弾けない。一生ダメかもしれない。」 藍が何を知ってるのかもまだ分からない。 でも。 「努力をしてみようと思った。ただ単純に。」