星羅くんはできるだけあたしに余計なことを考えさせないようにするように、冗談を交えた話を聞かせてくれる。 あたしは彼の話に耳を傾けて、時々笑う。 でも、彼があたしの名前を呼ぶ度にあの人を思い出す。 あたしの名前に特別な意味を与えてくれた、あなたを。 この日になると毎年思い出す。 『六花』 あたしを呼ぶ、優しい声。 暖かい音色。