あ。



なんでこの可能性に気づかなかったんだろう。



校舎から離れた人気のない東の塔。



少しくらい悲鳴を上げたって聞こえやしない。




こいつ、あたしを襲おうって考えじゃ……!




結城の背中を見ながら慌てた。


あたしまだ経験ないのにっ!



可愛い顔して鬼畜ってか?


ダメだ、あたしおかしい。

……考えがまとまらなくなってきた。

そんなバカなことないよね。


あったとしても、……アオがいないならもう、どうでもいい。




やっと、階段をのぼりきったようだ。