「ぅ、げほっ、…っ、ごほっ!」
入った瞬間、あまりのホコリっぽさにむせてしまった。
手をふってホコリを払っていると、またやつが笑いながら入ってきた。
「ごめん、掃除しとけばよかったな。」
あはは、と眩しいくらいの笑顔で笑う。
もう、こんなんばっか。
こいつにはこんなとこばっかり見られちゃう。
自分がなんだか訳分からなくなった。
不意に悲しくなって、思いっ切り結城の足を踏ん付けてやった。
「いって!!えっ!?」
するとホコリが舞い上がってまた咳き込むハメになった。
「早く案内してよね。」
大きな咳ばらいひとつして、涙目になりながら投げやりに言う。
結城は困惑しながらもこっち、と階段を指さす。

