頭はいまだにじんじん痛む。
まるで、罪を忘れるなと警告するみたいに。
結城が訝しげに口を開こうとしたとき。
「……っ、知ったふうな口、きかないでよ……っ!」
あたしはそう言い捨てると、結城からかばんをひったくって息を整えない間にまた走り出す。
あたし、最低。
お礼言うどころか、感情のまま言葉をぶつけて。
でも今はそれどころじゃない、もう限界だ。
痛む頭と霞む視界を叱咤しながらひたすら前に進む。
あいつの、あたしの名前を呼ぶ声を聞き逃したフリをして。
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