星羅くんは真剣な面持ちのまま、何も言わずに見返すあたしに続けて言う。
「でもそれを藍が言わないってことは、なにか考えとか思うところがあるからだろうから、これしか言えない」
まだあたしは喋れない。
言葉がなにひとつ浮かばないのだ。
「六花ちゃん」
はっとして星羅くんと視線を合わせる。
「思い出せ。君は大事なことを忘れてるよ」
藍を救いたいんなら、覚悟を決めて自分で見つけるんだ、と。
甘いマスクの彼はいくつもの爆弾を投げ込んで去っていった。
もちろんお会計も忘れずに、だ。
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