なんだか、落ち着かなかった。

藍と同じその呼び方に、杉崎さん…、星羅くんにあたしの、藍への気持ちが見透かされてるみたいで。



「敬語とかも、いいから。堅苦しいの苦手なんだ」



そう見える。

もうなんでもいいや、反論することだってないし。




「…じゃあ、聞いていい?」


「どうぞ?」



「あなたと藍の関係は?」




予想していなかった質問だったのか、一瞬彼は目をみはったが、すぐに切り返してきた。


「藍から聞いてない?」


「保護者代わりみたいなものだって」


「なるほどね、違ってはないけど。幼なじみ、て言ったほうがしっくりくるかな」



なんでも家が隣同士で、家族ぐるみの付き合いらしい。



「でも、それだったら三年前、藍がうちに来た理由が分からない」


星羅くんがすっと目を細めるのが分かったけど、それが何を意図するのか分からなくて背筋に緊張がはしった。



だったら星羅くんの家で預かったほうが、便利だし安心だ、と小さく呟いた。




「ね、六花ちゃんて鈍いってよく言われるでしょ」


「は…!?」