家が見えたと同時に、見馴れない影が一つ見えた。


その影はあたしに気づくと手を振った。




…不審者?


にしてはフレンドリーだなぁ…。



などと考えて近付いたら、その影の正体がやっと分かった。




「杉崎さん」


「やほー、六花ちゃーん」



まばゆい笑顔を振り撒きながら手を振る人物は、藍の家に行ったときに出会ったイケメンこと杉崎さんだった。



「久しぶり」


「はい。…何してるんですか?うちの前で」


「何って、六花ちゃんに会いにきたに決まってるじゃん」


そう言いながらナチュラルに手を握るあたり、口説きとスキンシップが標準装備なんだな。



「はぁ…って、なんでうちの場所知ってるんですか?」



その手をはたきながら質問すると。



「…え?」



「…は?」




ぽかんとする杉崎さんにあたしもぽかんとしてしまった。