これで声を聞くこともなくなったかと思ったけど、あたしはすっかり失念していたことを思い出して、思わずため息をついた。 結城はあたしが座っている席にまっすぐ向かってくる。 結城はもう少しであたしの席にたどりつくところで立ち止まって席に着く。 「おはよ、楠」 横にはあの笑顔。 うんざりしてまたため息をつきそうになったが、あいさつを無視するのもなんだかなぁ、と思い、無理矢理押し止めて小さくおはよ、と返す。 彼は隣の席だった。