「お客さんか?」
そう言って入ってきたパパにも、向かい側に座るよう促した。
「そちらは?」
藍を横目で見てパパが聞いた。
「あー、えと。」
なんて言ったらいいものか、ともごもごしているとパパがはっとした様子で口を開いた。
「まさか…」
そこでピンときてしまったあたしは全力でその先を妨げる。
「ち、ちがうから!ただのクラスメイト!初めて両親にご対面、とかじゃないから。」
焦って必死で弁解すると、納得してくれたようだ。
そこで、パパが藍を見遣って何故か訝しげに聞いた。
「君…名前は?」
藍は意味ありげな笑みを浮かべた。

