チャイムが鳴った。


予鈴だから、ちょっと急がないと間に合わないかもしれない。

結局ご飯は食べ切れず。

ママに申し訳なく思いながら、物音を立てないように立ち上がり、そのまま階段を駆け上がる。


男子たちは盛り上がってチャイムなど聞こえてなかったようだから。



一年生の教室が見えたとき、その教室から見覚えのある小柄な人影が飛び出してきた。

「六花ちゃん!」

「汐、おはよう」

幼なじみの汐はどうやらなかなか来ないあたしを心配して探しに行こうとしたところらしい。

「だって、天気予報見たら、来ないんじゃないかって思って」


泣きそうに眉を八の字に下げる汐に思わず苦笑する。

あのとき一緒にいた汐は知っている。




あたしが、犯した罪を。