「逆方向に行くフリして家に戻る、なんて小細工までしたのに、あっさりうちまで来て、ピアノのある部屋に来ちゃうの。」 『お前は落ち込んでるときにピアノないとこなんて行かないだろ。』 ほら、って差し延べられた手。 夕日と一緒にキラキラ輝く笑顔。 それでも意地を張ってると。 『ったく。分かってないのは、お前の方だろ?』 無理矢理手をとられて立ち上がる。 「そのとき、やっと分かった……。」 あたしたちには言葉は要らない。 こうやってお互いがお互いを、思っていれば、ずっと一緒にいられる。