自分の姿がかろうじて見えるだけで、手を伸ばすと、もうひじから先は闇に溶け込んでしまう。



そうして見えた自分の手はやっぱりまだ小さくて、地面からの距離――…それさえも見えないけど、足があるところから――も短く感じた。



ため息をついてその場にしゃがみこんだ。



今よりももっと長い髪が全身を覆うように耳に心地よい音をたててすべり落ちる。




アオが長いほうが好きって言ったから。




………今でも、切れない。




まだ夢の中らしい。



頭をひざの間に落とすと、静かに目を閉じた。




夢の中でも泣けない。


ましてや、幼くなっているというのに。



絶望感でいっぱいになった胸のあたりを、片手でぎゅっと握った。





どれくらいたったかな。




長い間そうしていた気はするけど、正確な時間が分かるわけないから考えるのをやめた。



億劫だけど、立ち上がる。