いつの間にかママの温かい手が背中にないことに気づかず、……いや、突き飛ばした瞬間に消えたのか?


どちらにしろ、支えるものがなくてそのまま前のめりになって転んだ。



起き上がると、暗闇の中にいた。



ママの温もりはどこにもない。


さっきは、………見てないから分からないけど、こんな暗いとこじゃなかった。


記憶なんてそんなものか…。


じゃあ、いつかアオのことも忘れちゃうの?




……ほんとに真っ暗。


考えちゃいけないことを考えた自分に嫌気がさし、別のことを考える。





ここには、ひとり。