自分の部屋には上がらず、そのままリビングへ直行して電話が置いてある棚の引き出しを上から順に開けてく。


……確か、このへんだった気が…。



三番目の引き出しを開けたときに、目的のものを見つけた。


ひとつの輪に通されたふたつのカギ。

小さいシルバーのカギと、長めのゴールドのカギ。



「六花……!?」



その様子を見ていたママが声を上げるが、聞こえないフリをしてさっきの部屋に戻った。




震える手を抑えながら小さいほうのカギをドアノブの鍵穴に差し込む。


かちゃり、と音を立てて開いたドアの隙間からはかすかにカビの臭いがした。



なぜか足音をたてないように部屋に入る。



――…なにもかも、あのときのまま……。