=キング of ビースト=




その後すぐに弘樹さんも部屋を出て行った。おそらく縁鷹ーーー聖のところに行くのだろう。


「星は、徹底的に潰すね♪」


そう言った紅雨さんの目は冷め切っていて、本当に那妃のことを思っていることが分かった。


「んー特に注意とかはないけど、由莉ちゃん連れてくから絶対に油断しないで。」


「あ?」


俺は思わず声を上げた。


「璃玖さん、那妃連れていくんですか?」


「そう言うことだね。でも車の中で待機させとくだけだけど。」


「何で連れていくんですか?」

「直也、俺が決めた事だ。」


夜琉さんが俺を真っ直ぐ見据えて言葉吐き捨てた。


「…。」