車の中では芯さんと私がしゃべっていた。
「なんで芯さんは蒼空で食べて行かないんですか？いつも送り迎えだけはするのに。」
「わたくしにもいろいろありますので。」
「すいません忙しいのに、毎回送り迎えしてもらって。」
「いえ。夜琉さんのお目付役なので。」
「夜琉の？」
「はい、でも由莉さんが那龍に来てくださって本当に助かりますよ。」
「なんでですか？」
「ああ、由莉さんに会う前の夜琉さんは本当に手がつけ『ドォン』おっと。」
夜琉が芯さんの座っている運転席を後ろから蹴るから、車がちょっとよろけた。
「芯。余計なこと言うんじゃねぇ。」
夜琉はすごむような低い声で言い捨てた。私はすかさず夜琉を睨みつけて
「もぉ!!危ないじゃん！みんな乗ってるんだから!!」
と言った。
「あ？」
「夜琉、いい加減にしなよ。」
璃玖が助け舟を出すが夜琉は
「るせぇ。」
と言うだけ。
