「この間は、ありがとうございました。志織さんと一緒に駆けつけてくれたって聞きました。感謝してます。」
「大したことじゃねぇから。」
「大したことじゃない?そんな事ないですよね。那龍の先代を動かしてしまった、私の過ちは重いですよ。」
自笑気味に笑った私を見て広斗さんは眉をひそめた。
「仕方ねぇだろ?」
「仕方ないでは済まされない。本当に申し訳ないです。私がいけないのに。」
「由莉ちゃんの所為じゃないよ。」
「私の所為で先代を動かしたのは事実です。でも、本当にありがとうございました。」
広斗さんは眉をひそめ何も言わず厨房へ戻ったので私は夜琉の隣に座った。

