=キング of ビースト=




助かった。


「夜琉のくせに私の言葉遮るんじゃねぇよ。」


志織さんはすぐにドスの聞いた声で夜琉を睨みつけるが、夜琉は気にする様子もなく、蒼空の中に入って行った。


私も中に入ると志織さんの目を真っ直ぐ見据えお礼を言った。


「この間は助けて下さってありがとうございました。本当に感謝してます。」


「気にしなくていいよ。」


「ありがとうございました。」

深く頭を下げると、志織さんは眉をよせて言った。


「感謝されることには慣れねぇな。」


私は頭を上げてから言った。


「助けて貰ったから礼を言うのは当たり前です。」


「わかったよ!!」


「ふふっ♪広斗さんはどこにーーーこんにちは、広斗さん。」

「おお、こんにちは。ケガの具合はどうだい?」


「お陰様で。」


「ならよかったよ。」