私は階段の角の所にいて、その光景を見ていた。下っ端達からは私が見えないらしい。
夜琉は、一段高くなっている前のセンターに堂々と置かれたソファーに堂々と座っている。
夜琉がソファーに行くとき私も後を着いて行こうとしたのだが、紅雨に止められ
「どうせ下っ端たちに御披露目するんだったら、堂々と行こうよ♪」
と意味不明なことを言われた為ここから紅雨と一緒に広間を眺めていた。
「ゆうゆう~♪夜琉がちょっとイライラしてきてるっぽいよ~。」
「あっ本当だ。なんで?」
「ゆうゆうって天然~。ゆうゆうが俺と一緒に居て、夜琉のところに行かないからだよ-。」
「ダメじゃんそれ。夜琉のとこ行ってくる。」
と言って私は夜琉の所に行こうとした。けど紅雨が私の腕を掴む。
振り向くとそこにいつものおちゃらけた紅雨はいなくて
「行くの?」
真面目な顔で言ってくる。
「行くよ。」
私はまっすぐ紅雨を見つめて答えた。すると紅雨は手を離した。紅雨の手が離れると私はまっすぐ夜琉に向かって歩いて行った。

