「…俺以外の奴にはすんな。」 と言ってそっぽを向いた夜琉。 「ふふっ♪しないよ。」 「…。」 「これねー、私のお兄ちゃんが使ってたの。勝手に貰った。」 寂しそうに言ったつもりはないが寂しそうに聞こえたのかもしれない。 「そうか。」 それ以上、聞いて来る事はなかった。 沈黙が続いたが、穏やかな雰囲気だった。 先に沈黙を破ったのは夜琉で 「そろそろ行くか。」 「どこに?」 「幹部部屋。」 「行く。」 傘下の人が来るんだったら、いつまでもゆっくりしていられない。