ふと思い出したのはだいぶ昔に言われた言葉だった。
「由莉?」
「何?」
「ぼーっとしてたから。」
「昔思い出したの。」
と言ってふふっと私は笑った。
いつの間にか部屋には私と夜琉しか居なくて。
「みんなは?」
「今から傘下が来る。その準備だ。」
「だったら、私もする。」
「しなくていい。」
「でも「来い。」
と言って、強引に私の肩に手を回して総長の部屋に着くと、いきなりスウェットを脱ぎだす。
「ちょっと、夜琉っ。」
恥ずかしくて目を俯かせる私を見てフッと笑って言った。
「傘下が来るのにスウェットじゃまずいだろ。」
私は普通にスキニーにトラストの白いシャツをきている。
まだ肩を圧迫しないようにと広未さんに言われているからゆるいのを着て、ボタンは第3まで開けて、肌を少し露出している。
ほっぺにはシップ。ぺりぺりと剥がして、この部屋にもちこんだ私の鏡で顔を見る。腫れはだいぶ引いたが、やっぱり青黒くなっている。
シップしたままじゃ失礼かと思ってはがしたがこのままの方が見苦しい。
やっぱりシップを貼ろうと思って鏡から目をそらすと、バッチリ夜琉と目があった。

