もっと強く と切に願う亮を見て広斗は 「もっと強くなりたい、って思えるようになったら、強くなった証拠だ。」 「…。」 バカな亮には意味がわからない。そんな亮を見て広斗は鼻で笑ってから、 「俺もいい弟を持ったもんだ。」 「…。」 怪訝そうな顔で広斗を見る亮。今まで、広斗は亮を誉めたりしたことがない。 広斗が亮を認めた瞬間だった。 その後、しばらく無言が続いたが、広斗は亮に背を向け部屋に入っていた。