そして、おもむろにポケットの中からケータイを出すとどこかに電話をかけ始めた。 「那加桜‐ナカオ‐公園の前だ。迎えをよこせ。」 と、透き通るハスキーボイスで。 数分後、迎えに来た黒のベンツに乗り込み... 「どちらに?」 運転手はミラーごしに男を見ながら問いかける。 「倉庫に行け。」 そう答えた男を見ながら運転手は、いつもの冷め切った目に少しだけ光を見た気がした。