「…ということで説明は終わりです」


「ありがとうございました」



未来の長い説明がやっと終わって、怜はその場で大きく伸びをした。
きっと今までのでまた15分は使ったかな。
頭がぼうっとしていて上手く言葉が出ない。



そんな怜を横目で捉えて、未来は慌てて言葉を付け加えた。



「あぁ、言い忘れてましたが」


「何をですか?」


「学園の生徒にはこれを受け取ってもらわないと」


「…?」



手渡されたのは銀のペンダントだった。
長方形の形をしていて、中心には学園の紋章が彫ってある。
…今時こんなのがあるんだな。



「これを学園にいる間は身に付けていてくださいね」


「校則みたいなものですか?」


「まぁ、そんなところです」



未来は曖昧に答えてそして楽しそうに笑った。
何がそんなに可笑しいんだろう?
その時怜はまだ何も知らなかった。