「試験はその生徒に『能力者』としての素質があるかどうかを見るの」


「…皆にあんな危ない試験をやってるんですか?」


「それは違うわ。 私の能力でその生徒に在る『力の大きさ』を計るのよ」



そして…と未来は言葉を続けた。
まるで小さな子供に言い聞かせるかのように言葉を選んで。



「私から『力の大きさ』でレベルを付けて分類する。 で、そのレベルに応じた試験を受けてもらってるって訳」


「じゃあ、その『力』って言うのは普通の人から見た超能力みたいなもの…ですか?」



自分でも何となく幼稚な言い回しだとは思ったけれど。
どうしても訊かなくては気がすまなかった。
この学園では何を目的にそんな人々を集めて教育しているんだろう?


浮ぶのは疑問ばかりで頭の整理が追いつかない。



「まぁ、そう言う例え方もあるでしょうね。 あ、でもこの学園には普通の生徒もいるのよ?」



普通の生徒。
つまり今までの僕のように普通の暮らしをしてきた人達のことだ。
その言葉のせいでますます頭が混乱してきた。