先生……

ぽん

「先、生……?」

「我慢、しましたよね。
辛かったですよね。」

そう言うと先生は優しく頭を撫でた。

トクン、トクン

「先生……。」

「もう、大丈夫ですよ。」

「はい。」

なんでかな。

先生が『大丈夫』って言ってくれたら、それだけで本当に大丈夫な気がするの。

「じゃあ、そろそろ御暇しますね。」

「え。」

もう?

一瞬そう思ったけど、そりゃそうだよね。

先生はお母さんと話をする為に来てくれたんだもん。

その話ももう終わったんだから、ここに残る理由はない。

だけど、淋しいな。

もう少し、こうしていたいよ。

先生と、もう少し。

「……………。」