先生……

チッチッチッチッ

時計の音が部屋に響く。

いつもなら気にならないのに、今日に限って耳障りだ。

チッチッチッチッ

耳を塞いでも、耳の奥で響いてる。

いっそヘッドフォンで塞いでしまおうか。

なんて思ったが、そうすると先生とお母さんが話し終えたときにわからない。

仕方なしにあたしは英語の予習をすることにした。

とてもそんな気分じゃなかったけど、少しは気が紛れた。

そして数十分が経った頃……

コンコン

ノックが聞こえた。

「はい。」

ガチャ

「……先生。」

「話が終わったんで呼びに来たんですが…。
勉強の邪魔だったかな?」

「へっ?」

すると先生はあたしの右手を指差した。

あたしの右手はシャーペンを持っていた。

「あ。
……でも、全然集中出来なかったです。」