先生……

「…………。
あの、あたしは…。」

出来ればここにはいたくない。

けど……。

「そうですね。
ではすみませんが、少し席を外してもらっていいですか?」

「………、そう、ね。
亜樹、悪いけど……。」

「あ、うん。えっと、じゃあ…失礼します。」

居間を出るとき軽く振り返ると、先生と目が合った。

優しく微笑んだ先生にはきっと、『ここにいたくない』ってあたしの気持ち、伝わってたのかな。

自分の部屋に行き制服を着替えると、ドッと緊張が流れ出た。

何もしてないはずなのに、疲れたと思ってしまう。

誰もいない部屋に一人。

ベッドに仰向けになって天井を見つめた。

「…………。」

何、話してるのかな。
先生とお母さん。

あの場にいたくなかったくせに、話は気になるなんて。

あたしって勝手だな。

今、居間には先生とお母さんが二人きり、か。

ズキン。

あたしのことを話してるって思ってるからかな。

なんだか胸が痛いよ。