コトッ

「どうぞ。」

差し出されたのは湯気がたったミルクココアだった。

「ありがとうございます。」

冷えきった体に入っていくココアは、とても温かい。

「あったかい……。」

ココアを飲み終えた頃には、ストーブも十分に温まっており、すっかり体は温まっていた。

「山本さん。」

「…はい。」

「話してくれますね?」

「…………。
はい。」

あたしは全て話した。

お母さんと二人暮らしなこと。

毎日お金の入った封筒が置いてあること。

家でお母さんに会う事がないこと。

だけど誕生日だけは毎年祝ってくれたこと。

今日はお金と手紙が入っている封筒があったこと。

それがどういう意味か。

手紙の内容。

そしてあたしの気持ちを全部――……。