学校はもう施錠されたのだろうか。

定時刻になると自動でつく明かり以外見当たらない。

一筋の風が体に当たる。

「寒っ。」

それもそのはず。

今は十二月なのだから。

「はぁ。」

そろそろ帰ろう。

誰か一人くらいくらい先生もいるだろうし。

そう思い振り返ったときだった。

バタンッ!!

勢い良く屋上の扉が開いたのは。

「はぁ、はぁ。はぁ。
山本さん、見つけた。」

「先、生……?」

沖田先生、だった。

先生はすごく疲れた様子だった。

もしかしてあたしを探していてくれたの?

考えるより先に、体が先生の所へ駆け寄った。

「先生っ!」

あたしは思わず先生に抱きついた。