「はい。ちゃんと知ってますよ。
君が人一倍努力してることは。」

頭を軽く撫でた。

ドキンドキンドキンドキン

この時間が好き。

いつもの優しい先生以外に、普通に笑ったりする『素』の先生が見れるから。

そんな先生と少しでも一緒に居たくて、わざとあたしは補習中に質問はしない。

自分で解きたいという欲もあるけど。

「で、課題の方はどうですか?」

「えっ、と……。
いっぱい分かりません……。」

「はは。どれです?」

ひょいっと先生の顔が近付いてきて、ドキドキする。

「おや。結構解けてるじゃないですか。
これとこれとこれとこれは見事正解です。
山本さん。少しずつですけど応用の力ついてきましたね。」

ほら、やっぱりだめ……。