「はい、そこまで!
隣りの人の採点が終われば、後ろの人は集めて下さい。」

今日は結構手応えあったし、もしかしたら合格圏内かなぁ?

「はい、山本さん。
すごいね、95点だよ。」

「ありがとう。って、え?」

「ん?どうかした?」

「う、ううん。なんでもない。」

空耳かな。

あたしには有り得ない数字が聞こえたような気がしたんだけど。

手渡された自分の答案用紙を見ると、そこにははっきりと赤で書かれた95の文字。

「……うそ………。」

本当にこれあたしの答案?

信じられなくて、名前を確かめる。

氏名欄にあったのは、あたしの名前。

「ね、ねぇ。堀井君。
これ、採点間違ってない?」

「え?

間違ってないよ。」

「……あり、がとう。」