窓ガラスに吸盤フックで[写真部]と書かれたプレートが揺れるドアにを開けると、繭乃くんがため息をついた。
「来てたんですか?」
「んー……」
そんなやりとりを聞きながら、室内に通されてまず目に飛び込んできたのが、黒いソファーに寝そべり厚い漫画を読む人だった。
「この人の事は気にしないでください。一応部員ですけど、カメラ持ってませんから」
『え?あ、はい』
バックを机に置きながら、少し冷めた口調で言う繭乃くんは、カバンから幾つかフィルムケースを取り出した。
「好きに見てってください。僕は、暗室に居ますから。入部はいつでも大歓迎です」
それだけ残すと、黒いカーテンの向こうに消えて行ってしまった。
椅子にカバンを下ろし辺りを見渡すと、荷物で狭くなった部屋には、驚くほどの本が収納されてた。
背表紙をなぞり見ていくと、どれもカメラや写真関係の本ばかりだった。その中には、同じ撮影者の写真集やカメラ以外の写真集も置いてあった。
『初心者でもわかるカメラ……』
目に止まった背表紙を音読し、徐々に下へと目線を下げていくうち、気づいたら正座して本を読んでいた。
「来てたんですか?」
「んー……」
そんなやりとりを聞きながら、室内に通されてまず目に飛び込んできたのが、黒いソファーに寝そべり厚い漫画を読む人だった。
「この人の事は気にしないでください。一応部員ですけど、カメラ持ってませんから」
『え?あ、はい』
バックを机に置きながら、少し冷めた口調で言う繭乃くんは、カバンから幾つかフィルムケースを取り出した。
「好きに見てってください。僕は、暗室に居ますから。入部はいつでも大歓迎です」
それだけ残すと、黒いカーテンの向こうに消えて行ってしまった。
椅子にカバンを下ろし辺りを見渡すと、荷物で狭くなった部屋には、驚くほどの本が収納されてた。
背表紙をなぞり見ていくと、どれもカメラや写真関係の本ばかりだった。その中には、同じ撮影者の写真集やカメラ以外の写真集も置いてあった。
『初心者でもわかるカメラ……』
目に止まった背表紙を音読し、徐々に下へと目線を下げていくうち、気づいたら正座して本を読んでいた。


