『ちょっと気になって』
「どちらかと言えば、分かりやすい方だと思う」
『そう』
「僕は、素直でいいと思うよ?」
『ありがとう』
結局、最後まで柚樹に似た人の事を告げることは無かった。
『じゃあ、またね?』
「うん」
そんな短い会話を済ませ、それぞれ教室に戻った。予鈴が鳴る前に教室にいるなんて不思議な感じがするけど、そんな日もたまにはいいよね?
その日の放課後、約束通り写真部の部室を見に行った。
階段を下りた所で待つ繭乃くんを見つけた時、周りを気にしながら、小さく手を振った。
『待たせてごめんなさい』
駆け寄ると息つく暇もなく「行きましょう!」と言われ、繭乃くんの後をついていった。
「廊下を真っ直ぐ行った一番奥の部屋が写真部です」
『遠いんだね……』
「目立たないせいか、部員も少ないですけど、楽しいですよ?一応僕が部長なんですけど、威厳が無いってよく言われます」
終始にこやかに話す繭乃くんは、部室に行くのが楽しいらしくて時々首から下げたカメラを撫でては優しく笑っていた。
「どちらかと言えば、分かりやすい方だと思う」
『そう』
「僕は、素直でいいと思うよ?」
『ありがとう』
結局、最後まで柚樹に似た人の事を告げることは無かった。
『じゃあ、またね?』
「うん」
そんな短い会話を済ませ、それぞれ教室に戻った。予鈴が鳴る前に教室にいるなんて不思議な感じがするけど、そんな日もたまにはいいよね?
その日の放課後、約束通り写真部の部室を見に行った。
階段を下りた所で待つ繭乃くんを見つけた時、周りを気にしながら、小さく手を振った。
『待たせてごめんなさい』
駆け寄ると息つく暇もなく「行きましょう!」と言われ、繭乃くんの後をついていった。
「廊下を真っ直ぐ行った一番奥の部屋が写真部です」
『遠いんだね……』
「目立たないせいか、部員も少ないですけど、楽しいですよ?一応僕が部長なんですけど、威厳が無いってよく言われます」
終始にこやかに話す繭乃くんは、部室に行くのが楽しいらしくて時々首から下げたカメラを撫でては優しく笑っていた。


