ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「浦ちゃん近いし、気づかれてないよ」


『へ?』


初め何を言っているのか分からなかった。


「やっぱり?」


至近距離で声がし、その声の方に顔を向けると凄く近い距離に浦田先生がいた。


『近い……』


「桜庭さん、またケガ?」


『今日は違います』


なぜかは知らないけど、避ける気は更々ないらしい。ちょっと迷惑。


「それじゃあ、僕に会いに来てくれたんだ!」


『それは、ありえません』


にっこり笑うと、それが相当ショックだったのか、「そう」とメガネを直しながら、綾の前に座った。


「ふられましたね」


「綾ちゃんは、簡単に落ちたのに」


なぜか慰められてる先生に謝ると、笑顔で「君が謝る必要はないよ、僕が勝手にしたことだから」と言われたけど、先生は私と目を合わせなかった。


「ヘコみすぎ」


そんな先生を見て大笑いする綾は、先生の肩をバシバシ叩いていた。


「でも、浦ちゃんが本気になれば、この学校中の生徒みんな虜に出来ますよね?」


いきなり挑発しだす綾と、それに目を輝かせ「もちろん!」と即答する先生をみてると、こんな人が保健の先生で大丈夫なのかと本気で心配になった。