『おっ!発見』
一人呟きニッコリ笑うと、小走りで桜木に近づいた。
授業が始まると幽霊みたいにフッ…と現れ何食わぬ顔で授業を受け、終わった途端まるでそこに誰もいなかったかのように消える。
そんな不思議な行動を取る仁が、私をワクワクさせた。
『お隣いいですか?』
俯く仁に話しかけると、ピクッと肩が動き、肩に付きそうな髪の間からイヤホンが外れ、仁がゆっくりと顔を上げた。
きっとまだ私だと気づいてない
「…なんだ、お前か…」
ホッとしてる仁に『驚かせてごめん』と声を掛け、隣に座った。
『何聞いてたの?』
手に握りしめられたiPodに目を移し仁に問いかけると、何も言わずにイヤホンを渡された。
『……?』
とりあえず耳にはめてみる。
『…あ、アニソンじゃないんだ!』
からかうつもりで言ったら、仁に睨まれた。
耳にはめたイヤホンから流れ出したのは、洋楽だった。
心地よいギターに合わせて、歌う声が悲しい曲の意味を知らせた。
目を閉じたまま『誰の曲?』と訊ねると「エリック・クラプトン」だと教えてくれた。
「今お前が聞いてんのはTears in Heavenいい曲だろ?
悲しい歌なんだけど、メロディーが好き。」
一人呟きニッコリ笑うと、小走りで桜木に近づいた。
授業が始まると幽霊みたいにフッ…と現れ何食わぬ顔で授業を受け、終わった途端まるでそこに誰もいなかったかのように消える。
そんな不思議な行動を取る仁が、私をワクワクさせた。
『お隣いいですか?』
俯く仁に話しかけると、ピクッと肩が動き、肩に付きそうな髪の間からイヤホンが外れ、仁がゆっくりと顔を上げた。
きっとまだ私だと気づいてない
「…なんだ、お前か…」
ホッとしてる仁に『驚かせてごめん』と声を掛け、隣に座った。
『何聞いてたの?』
手に握りしめられたiPodに目を移し仁に問いかけると、何も言わずにイヤホンを渡された。
『……?』
とりあえず耳にはめてみる。
『…あ、アニソンじゃないんだ!』
からかうつもりで言ったら、仁に睨まれた。
耳にはめたイヤホンから流れ出したのは、洋楽だった。
心地よいギターに合わせて、歌う声が悲しい曲の意味を知らせた。
目を閉じたまま『誰の曲?』と訊ねると「エリック・クラプトン」だと教えてくれた。
「今お前が聞いてんのはTears in Heavenいい曲だろ?
悲しい歌なんだけど、メロディーが好き。」


