最後のひとりが提出し終わった頃、タイミング良く予鈴がなった。
そして満足げに、大量の提出物を抱え教室を出ていった。
『終わった』
軽くなったカバンを持ち、騒がしい教室を静かに出た。数日振りの綾とも会話をせず、まっすぐ階段に向かった──
仁はもう出たのかな?だんだん早くなる鼓動に重なるよう、息も上がっていった。リズムよく最後の一段を下り終えると、不意に名前を呼ばれた。
「桜庭さん?」
名前を呼ばれた方を見ると、「やっぱりそうだ!!」と嬉しそうな顔を向けられた。
その人は私に近づくと、「お久しぶりです」と言った。そんな久しぶりでもない気もするけど……
『同じ高校だったんですね』
苦笑いに似た笑顔を向け、偶然会った繭乃くんに訊ねた。
「そうみたいですね。カメラどうでした?」
『バッチリです!!(イメージトレーニングは)』
話を長くしたくなくて、嘘をついた。
「今から写真部の部室に行くんですけど、行きませんか?」
あの日と同じキラキラした目を向けられても、初めから答えは決まっていた。
『ごめんなさい、行くところがあって。急いでるので明日でもいいですか?』
「あ、ごめんなさい!!じゃあ、明日の放課後、ここで待ち合わせでいいですか?」
『はい。それじゃあ』
軽く頭を下げると、繭乃くんと別れた。
そして満足げに、大量の提出物を抱え教室を出ていった。
『終わった』
軽くなったカバンを持ち、騒がしい教室を静かに出た。数日振りの綾とも会話をせず、まっすぐ階段に向かった──
仁はもう出たのかな?だんだん早くなる鼓動に重なるよう、息も上がっていった。リズムよく最後の一段を下り終えると、不意に名前を呼ばれた。
「桜庭さん?」
名前を呼ばれた方を見ると、「やっぱりそうだ!!」と嬉しそうな顔を向けられた。
その人は私に近づくと、「お久しぶりです」と言った。そんな久しぶりでもない気もするけど……
『同じ高校だったんですね』
苦笑いに似た笑顔を向け、偶然会った繭乃くんに訊ねた。
「そうみたいですね。カメラどうでした?」
『バッチリです!!(イメージトレーニングは)』
話を長くしたくなくて、嘘をついた。
「今から写真部の部室に行くんですけど、行きませんか?」
あの日と同じキラキラした目を向けられても、初めから答えは決まっていた。
『ごめんなさい、行くところがあって。急いでるので明日でもいいですか?』
「あ、ごめんなさい!!じゃあ、明日の放課後、ここで待ち合わせでいいですか?」
『はい。それじゃあ』
軽く頭を下げると、繭乃くんと別れた。