ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「久しぶり~」「なんか、雰囲気違くない!?」そんな言葉が飛び交う教室では、久しぶりに見るクラスメート達がそんな会話を続けていた。
 始業式が始まり、校長の長い長い挨拶を聞きながら、頭の中は今朝カバンに忍ばせたカメラの事でいっぱいだった。


「葉瑠、終わったよ?」


肩を叩かれ我に返ると、始業式は終わり、皆教室に帰っていく所だった。慌てて歩き出す私に綾が笑った。
 教室に着いてそうそう今度は先生が休みの間何をしていたか。をブーイングが響く中突然話し出した、その話にウンザリしながら久しぶりの窓からの景色を眺めた。


きれいに晴れた今日、もう桜は散ってしまったけど、涼しい緑が校庭の隅に影を作るのを想像し時間を潰した。
ふと廊下に目を遣ると、隣のクラスの生徒が帰宅し始めてるのが見えた。このクラスを見て笑った男子は、きっと可哀想とでも思ってるんだろう、あの先生のクラスじゃなくてよかったって。
 今頃、提出物を出してるクラスはきっとここだけ。早く帰りたい空気が漂う中、先生が疑いの眼差しを私達生徒に向けた。


「ちゃんとやってきただろうな!?」


そんな先生をなんとなく冷静に観察してみた。
 顔は普通。オシャレのつもりでメガネを掛けているのか、本当に目が悪くて掛けてるのか分からないけど、正直似合ってない。
いつもジャージなのはドラマの影響?そういえば、結婚してるって綾が苦い顔で言ってたっけ?
奥さんはこんな先生を選んで幸せなんだろうか?