私は繭乃くんに勧められたカメラを買い、お店を出て礼を言った。
繭乃くんは、照れながら頷き、「じゃあ、気をつけて。」と言った。
『繭乃くんも』
つかの間の知り合い。
繭乃という名前しか知らない彼と、この先会うかも分からないのに不思議とすぐに会える気がした。
家に帰るまで待ちきれなくなり、帰宅途中の公園で買ったばかりのカメラを開けた。レンズのフタを開け、意味なくファインダーを覗き、ぐるりと公園を見渡してみる。
繭乃くんが言ってた説明通りバッテリーとメモリーカードを入れ、電源を入れると何も撮らずに電源を落とした。
そうして、残りの春休みはカメラの説明書と勉強、時々電話を繰り返して過ごした。電話の相手は大抵柚樹か綾で、仁からは「生きてるか?」のメールが春休み最後の日に届いた。
繭乃くんは、照れながら頷き、「じゃあ、気をつけて。」と言った。
『繭乃くんも』
つかの間の知り合い。
繭乃という名前しか知らない彼と、この先会うかも分からないのに不思議とすぐに会える気がした。
家に帰るまで待ちきれなくなり、帰宅途中の公園で買ったばかりのカメラを開けた。レンズのフタを開け、意味なくファインダーを覗き、ぐるりと公園を見渡してみる。
繭乃くんが言ってた説明通りバッテリーとメモリーカードを入れ、電源を入れると何も撮らずに電源を落とした。
そうして、残りの春休みはカメラの説明書と勉強、時々電話を繰り返して過ごした。電話の相手は大抵柚樹か綾で、仁からは「生きてるか?」のメールが春休み最後の日に届いた。


