ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ？

私は綾に、何でそんなに否定するのか理由を聞いた。
すると綾は躊躇いもせず「まず、ダサいだけで恥ずかしい!」と言い放った。
それから次々に言葉が出てきた


「前髪切ったらマシなんだろうけど、あのメガネは無いよねぇ…
あと、制服の着方!？あんなシッカリ着なくてよくない？
やたらと暗いし、質問したら返してくれるけど…なんか…、一緒に居るだけで無理!!」


まあよくここまで…
勢いよく喋りすぎて、グッタリしてる綾に『それだけ？』と訊ねた。


「え？」


『綾が知ってる仁はそれだけ？』


綾は、驚きながらコクリと頷いた。
なにも知らないくせに。
そんな言葉が頭の中をグルグル回った。
騒がしい教室の中で、ここだけ空気が違ってた。
綾には悪いなぁって思いながらも、イライラを静めるため窓の外に目を移した。


　午前の授業が終わった後、私は綾に謝った。
綾は笑って許してくれたけど、本音は言わなかった。
　そのまま昼休みになり、いつものように片手にコンビニの袋を持つと、校庭のある一角に向かった。今日は風が強いなぁ…風で飛ばされた桜の花びらが、向かい風で飛んでくる。