バックから取り出したケータイで柚樹を撮った。それに気づいた柚樹は、唐揚げをくわえたまま私を見た。
『あ…』
落ちそうになる唐揚げを一気に口に放り込む姿を何枚か撮ると、今度は仁にレンズを向けた。
『……。』
写真を撮ってもピクリとも動かない仁に、物足りなさを感じながらも黙々とおにぎりを食べる姿を収めた。
「お腹いっぱい……」
仰向けに寝転び目を閉じる柚樹は幸せそうに微笑んでいた。それを木によりかかり眺めていると、仁が隣に座った。
何を言うでもなく、何をするわけでもなくただ、満足げに息を吐くと、私と同じように樹にもたれかかった。
風で流れる前髪からは微かにメガネ越しの景色が見えた。
(度は入ってないんだ……)その時、伊達メガネな事を知った。なんでわざわざ伊達メガネを掛けているんだろう?
その疑問は、声に乗ることなく胸の奥に消えていった……
『あ…』
落ちそうになる唐揚げを一気に口に放り込む姿を何枚か撮ると、今度は仁にレンズを向けた。
『……。』
写真を撮ってもピクリとも動かない仁に、物足りなさを感じながらも黙々とおにぎりを食べる姿を収めた。
「お腹いっぱい……」
仰向けに寝転び目を閉じる柚樹は幸せそうに微笑んでいた。それを木によりかかり眺めていると、仁が隣に座った。
何を言うでもなく、何をするわけでもなくただ、満足げに息を吐くと、私と同じように樹にもたれかかった。
風で流れる前髪からは微かにメガネ越しの景色が見えた。
(度は入ってないんだ……)その時、伊達メガネな事を知った。なんでわざわざ伊達メガネを掛けているんだろう?
その疑問は、声に乗ることなく胸の奥に消えていった……


