ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『なんで?』


「なんでって、ダサカレと友達なんて有り得ない! 葉瑠まで変なあだ名つけられちゃうよ?」


『ガリレオみたいな?』


「それは無いと思うけど…」


『変人。って言いたいんでしょ?慣れてるから大丈夫だよ。』


机に頬杖を付き、窓越しに空を眺めながら前の席に腰掛ける綾に淡々と答えた。


「ねぇ、もしかして好きになっちゃった?!」


『誰を?』


綾は辺りを見渡し、小声で「ダサカレ。」と言った。


『私が、仁を?』


自然と目線が仁の机に向けられた。斜め前のちょうど真ん中が仁の席。
姿が見えないのを見ると桜の下かな?


「嘘…」


『なにが?』


「マジで好きになっちゃったの?」


『いけない?』


「いけないって言うか…」


『綾はさ、誰かを好きになるとき周りに許可を取るの?』


逆に質問されるなんて思ってなかったのか「えっ!?」なんて驚いてた。


『誰が誰を好きになるかなんて分からないし、いちいち誰かに聞いてたら本当に好きな人逃げちゃうよ?』


「…葉瑠… あんたが言うと、妙に説得力あるわ」


『そう?質問ついでに聞いていい?』