無言で歩く帰り道。
話さなくても気まずくならないこの距離が嬉しくて、時々どうしようもなく不安になって、ドキドキした…。だから、明日からの数週間、仁の隣を歩けないのが寂しかったりもする。
「じゃあ、明後日」
『うん。』
左右に分かれ歩き始めた時、仁に呼び止められた。
「あっ、朝電話するわ!」
『お花見の日? なんで?』
「お前寝坊しそうだから。」
真顔で言と気が済んだのか再び「じゃあ」と歩き出した。
そんな事言われたら寝坊したくなっちゃうよ…仁の背中から空に目を移し微笑した。
明日から長くて短い春休みがくる。帰って早々に提出物を片付ける事は既に計画済みで、明日には終わってる予定を立てていた。
『─…ただいまぁ…』
この時までは。
玄関を開けると、見覚えのある靴が2人分、お客様じゃないことだけは確かだった。
「あら、お帰りー」
スーツ姿で煎餅を頬張り、顔を覗かせる母にため息をついた。
「今日は早く帰って来ると思って、待ってたのよ!?」
『おばあちゃんは?』
「台所にいるけど?」
『そう。』
それだけ言うと台所に向かった。
話さなくても気まずくならないこの距離が嬉しくて、時々どうしようもなく不安になって、ドキドキした…。だから、明日からの数週間、仁の隣を歩けないのが寂しかったりもする。
「じゃあ、明後日」
『うん。』
左右に分かれ歩き始めた時、仁に呼び止められた。
「あっ、朝電話するわ!」
『お花見の日? なんで?』
「お前寝坊しそうだから。」
真顔で言と気が済んだのか再び「じゃあ」と歩き出した。
そんな事言われたら寝坊したくなっちゃうよ…仁の背中から空に目を移し微笑した。
明日から長くて短い春休みがくる。帰って早々に提出物を片付ける事は既に計画済みで、明日には終わってる予定を立てていた。
『─…ただいまぁ…』
この時までは。
玄関を開けると、見覚えのある靴が2人分、お客様じゃないことだけは確かだった。
「あら、お帰りー」
スーツ姿で煎餅を頬張り、顔を覗かせる母にため息をついた。
「今日は早く帰って来ると思って、待ってたのよ!?」
『おばあちゃんは?』
「台所にいるけど?」
『そう。』
それだけ言うと台所に向かった。


