『そう?じゃあ、また!』
桜の木に寄りかかったままの仁と手を振り別れ、授業を受けるべく教室に向かった。
初めから仁を怖いとは思わなかった。いつもひとりで桜木の下にいる仁を遠くから眺めては、時々近づいてポツリポツリと言葉を交わす。それが凄く心地よかった。
この気持ちが恋だと知ったのは、ある一言がキッカケだった。
「なんであんなのと居るの?」
一週間もすれば広まる噂。人の顔を見るなり、興味本位で質問を投げかけられることが増えた。
最初は『ただの友達』そう答えていた。
でも、それもだんだんめんどくさくなり、トイレと仁の所へ行くとき以外、教室から出なくなった。
「葉瑠さ、最近ダサカレといるって本当?」
『本当。綾も?』
ウンザリしながら答えた。質問してきた綾とは、この学校に入ってから知り合った友達。
一人でいた所を話しかけられたのがきっかけで仲良くなった。
「なんか、噂になってるからさ? どんな関係なのかと思って。」
『どんなって?』
「付き合ってるとか?」
『ない。』
「じゃあ、どんな関係?」
『トモダチ?』
「嘘。絶対嘘だね!」
桜の木に寄りかかったままの仁と手を振り別れ、授業を受けるべく教室に向かった。
初めから仁を怖いとは思わなかった。いつもひとりで桜木の下にいる仁を遠くから眺めては、時々近づいてポツリポツリと言葉を交わす。それが凄く心地よかった。
この気持ちが恋だと知ったのは、ある一言がキッカケだった。
「なんであんなのと居るの?」
一週間もすれば広まる噂。人の顔を見るなり、興味本位で質問を投げかけられることが増えた。
最初は『ただの友達』そう答えていた。
でも、それもだんだんめんどくさくなり、トイレと仁の所へ行くとき以外、教室から出なくなった。
「葉瑠さ、最近ダサカレといるって本当?」
『本当。綾も?』
ウンザリしながら答えた。質問してきた綾とは、この学校に入ってから知り合った友達。
一人でいた所を話しかけられたのがきっかけで仲良くなった。
「なんか、噂になってるからさ? どんな関係なのかと思って。」
『どんなって?』
「付き合ってるとか?」
『ない。』
「じゃあ、どんな関係?」
『トモダチ?』
「嘘。絶対嘘だね!」


