ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

『ううん、なんか子犬みたいだなぁって』


「子犬?」


柚樹が小首を傾げた。


「でも、時々猫っぽくね?」


『ああ!分かる!!』


仁の言葉に大きく頷くと、ますます柚樹の顔が傾いた。


「あの!僕にも分かるように説明…」


『それよりさ…─』


柚樹の言葉を遮り、お花見の話が出たことを話すと、「それって僕もメンバーに入ってます?」と眉を下げ聞いてきた。


『うん、仁が柚樹も誘おうって』


もう子犬にしか見えない柚樹に、気持ち悪いほどの笑みを向けた。
そんな私を無視し、柚樹は仁に礼を言った。
 それからしばらく、その場で色んな話をした。
お花見の話を中心に、学校.先生の愚痴も多少。
帰る頃には陽が傾き始めてた。


『あっ、柚樹のアドレス聞いていい?』


「うん。 ちょうどよかった、僕も聞こうと思ってたんだけど、なかなかタイミングが合わなくて…」


赤外線を通し、互いのアドレスを交換し終えると、柚樹とは別れ道でサヨナラした。


「じゃあ、お花見で!」


手を振り別れるいつもの光景。それでも今日はどこか違って見える。
違って見えるのに、不思議なほど不安の言葉が不釣り合いに思えた。
いつでも会える。
心のどこかでそう思ってるからなのかも…