ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ？

気づいた時には、先生が教科書を閉じ「今日はココまで。」と言っている所だった。


『いつの間に…』


１人取り残された感たっぷりの中、授業が終わった教室は一気に騒々しくなった。
私はとりあえず机の上をスッキリさせ、なんとなく立ち上がった。その時、視界の端に誰かが近づいてくるのが見え、しばらくその場で待ってみた。


「葉瑠ごめん!」


『え…？』


綾にいきなり謝られ、何が起こったのか理解できずにいる私に、構うことなく先を続けた。


「当分聞けそうにないわ。」


『あぁ、綾も大変だね？』


「本当にごめんね」


『いいよ。』


「後でメールするから!」


『うん。』


それだけ言うと、足早に教室を出ていった。


『ふぅー…なんか、めんどくさくなってきちゃったなぁ』


再び椅子の座り直すと、窓の外に目を遣った。
あと一時間。次の授業が終われば帰れる。
このクラスにも慣れ、少なからず友達も出来たけど、私が毎日学校に来る理由はやっぱり仁がいるからで、お昼休み目当てで来てるようなものだな…。


『ハハッ…ハァー、帰ろうかな？』


柚樹が来る気配もないし、１人で笑っててもイタイだけだし。