たくさん遠回りして、傷つけあったから、ストレートに言葉を投げられると心がくすぐったい。


『私も、好きです。やっと聞けた』


「素直になれなくてごめんな?それから、もう、俺から逃げんなよ?」


『うん』


仁の胸に顔をうずめ、背中に回した手をしっかり掴んだ。私より少しだけ早いリズムで動く心臓に共鳴するみたいに、私の心臓も同じ速さになった。


「葉瑠」


『ん?』


「メリークリスマス」


微笑む私のおでこにキスをすると、伏せた瞼にキスをして、赤く熱い頬に、そして唇へと足跡を付けるようにキスをした。
 それは深くて優しく、甘くてちょっぴりしょっぱい涙の味がした。


『……んっ…はぁ』


「…ハァ……ヤバい」


『ん?』


「好きすぎる」


抱きしめられた耳元で仁の笑い声が聞こえた。


『幸せ?』


「ん。幸せ」


『仁、そのままでいてね?』


「ん。でも前髪だけ切っていい?」


『うん』


ゆらゆら揺れる七色の影を見つめながら、受け止め切れないほど大きなプレゼントを抱きしめた。
いつかくる別れの日まで、この愛が続きますように。