「はあ?」


『ここが苦しくなったから、どんな顔してるのかと思って』


胸を指差すと、フッと笑い腕を引かれ、また抱きしめられてしまった。


「お前これすると黙んのな?!」


顔を上げると、そのあまりの近さに仁の胸に顔を戻した。


「あはは!わかりやすすぎる!!」


恥ずかしくてしばらく仁の顔を見れなかった。それを知ってて、仁は何度も私の名前を呼んだ。


「葉瑠~顔が見たいんだけど?」


『嫌だ。』


「葉瑠ちゃ~ん?」


『……。』


「……ごめん葉瑠、顔上げて?」


警戒しながら、顔を上げるとそこには真剣な顔があった。あまりに真剣過ぎて、つい見つめてしまう。


「あのさ、あんまり見られると恥ずかしいんだけど……」


ポリポリとこめかみを掻くと、目を逸らした。


『あ、ごめん。つい』


「いいけど」


『……。』


目を閉じ、一呼吸置くと目を開けた。


「葉瑠、好きです。」


ドクンッって音が聞こえた。私は、その言葉を聞きたくてここに来ていたのかもしれない……そんな事も思ったりした。


「俺とつき合ってほしい。」


まっすぐ私を映す瞳に涙が溢れた。答えは初めから決まってた。


『はい』