ダサカレ─ダサイ彼氏ハ好キデスカ?

「おい、着いたぞ?」


目を開けると、桜の木がピカピカと光っていた。


『ツリー?』


ボーっと眺めてると仁がしゃべり出した。


「お前のおじいちゃんに教えてもらったんだ、これするとお前が喜ぶって」


『……キレイ』


「これ作るのに、中村達にも手伝ってもらってたんだ」


『私のせいで計画ぶち壊しだね?』


「元からうまく行くか分かんなかったし、寒さで電気が通らなくて、遅くなったけど無事に点いたみたいでよかった」


『仁は点く瞬間見てないの?』


「中村に葉瑠を探しに行け!追いかけろ!!って。きっと葉瑠は泣いてるからって……俺よりお前の事知ってんのな。
中村の言った通りだったし」


『……。』


「すげー嫌だった。毎日一緒登下校して、席も隣でアイツより早く出会ったのに、何も知んなくて。挙げ句キスされてるし?」


『あれは!』


「殴ってやりたかった。でも、あん時の中村、すげー傷ついた顔で見るから……結局殴れなかった。」


それを聞いてなんて答えろと?


『仁、下ろして?』


「あぁ……」


背中から降りると、仁の前に回った。


「ん?」


『どんな顔してるのかと思って』